ECサイト(ネットショップ)は、競合性が高いことから、その集客の難しさが広く知られています。とりわけ、集客に強い、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、大手ECモールへの出品または出店するECサイトと比較して、自社独自でECサイトを運営する場合は、より困難であるといえるでしょう。
ECサイトでの集客の難しさは、高い競合性の他にも、必要なコストや時間、それらに見合った効果の出づらさなどが要因として考えられます。
そこで今回は、ECサイトにおける集客方法について、広告やSEO対策などの代表的な施策から、比較的低コストで行うことのできるSNSの効果的な活用方法などをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください!
ECサイト(ネットショップ)における集客とは?
ECサイトにおける集客つまり、ユーザーの流入経路は「自然検索」「広告経由」「リファラル」「直接流入」に分けることができます。
自然検索(オーガニック)
自然検索とは、「GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、表示された検索結果の中からWebサイトをユーザーがクリックすることで、サイトへの流入が発生する」という流入経路です。検索結果のページにおいて、前方ページそして上位に位置するWebサイトほど、オーガニックでのユーザーを獲得しやすくなります。
広告経由
広告経由とは、「インターネット上に掲載された広告をユーザーがクリックすることで、サイトへの流入が発生する」という流入経路です。インターネット広告には、複数の種類が存在し、どれも運用にあたりコストが発生するという特徴があります。
オーガニックによるユーザーと比較して、広告を経由するユーザーは、比較的購買意欲が高いとされており、集客だけでなく、実際の購入にまで至るユーザーを見込むことができるといえるでしょう。
リファラル
リファラルとは、「FacebookやTwitterなどをはじめとした、他のWebサイトに掲載されたリンクをユーザーがクリックすることで、サイトへの流入が発生する」という流入経路です。
流入したいサイトの挿入を行う際、獲得したいユーザーを明確にし、該当するユーザーが多く属している外部のWebサイトを選定することで、より効果的な集客を行うことができるでしょう。
ただし、外部サイトのユーザーニーズと、集客を行いたいサイトの訴求ポイントに大きな差が生じてしまうと、ユーザーの離脱にも繋がりかねないため、注意が必要です。
直接流入
直接流入とは、「お気に入り機能やブックマーク、またはアドレスバーの閲覧履歴などを通してユーザーが直接サイトのURL等をクリックすることで、サイトへの流入が発生する」という流入経路です。
お気に入りやブックマークなどは、過去に複数回サイトを訪問または商品の購入を行ったユーザーによってクリックされることが多く、新規顧客というよりは、リピート層のユーザーによる流入であるといえるでしょう。
ECサイトでは、集客にかけることのできるコストの他に、獲得したいユーザー層を明確にすることで、ユーザーの適切な流入経路を予測し、より効果的な集客を行うことが可能になります。
ECサイトでの代表的な集客方法
ECサイトにおける、代表的な集客方法は、オーガニックによるユーザーの流入を図る「SEO対策」と、費用対効果が高いとされる「インターネット広告」であるといえるでしょう。それぞれご紹介します。
①SEO対策 (自然検索)
SEOとは、”Search Engine Optimization”の略で、日本語では「検索エンジン最適化」を意味します。GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、広告として掲載されたWebサイトを除き、検索結果ページの上位にコンテンツを表示させることでユーザーの流入を図る、自然検索(オーガニック)での代表的な集客方法です。
一般的なSEO対策として、自社の商品ページだけでなく、商品やブランド、それらにまつわるコンセプト等をテーマにしたコンテンツの制作が挙げられます。ユーザーが検索エンジンにて、キーワードを検索した際に、検索結果の上位に表示させるためには、コンテンツの一定のボリュームや、独自性など、様々な要因が必要となります。
自社のコンテンツページが上位に表示されればされるほど、自然流入でのユーザーを増やすことができます。ユーザーの検索の意図は様々であるため、幅広い層に対してのアプローチが可能です。
②リスティング広告 (広告経由)
リスティング広告とは、広告を経由したユーザーを獲得するための一集客手段です。リスティング広告では、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、ユーザーが検索したキーワードの検索結果ページの上位または下部に、自社のページが掲載されます。「検索連動型広告」や「PPC (pay per click)」としても知られ、ユーザーによってページがクリックされた際に費用が発生します。
数あるインターネット広告の中でも、最も費用対効果が高い施策として知られています。掲載にあたり、専門的な知識が必要になりますが、日々の細かい設定に注力することで、効果を見込むことができます。
ただし、検索結果ページの上部に表示されたからといって、必ずしも多くの集客につながる訳ではありません。リスティング広告にも限度があるため、コストを明確に設定したり、日頃から柔軟に適応させたりするなどを心がける必要があるでしょう。
③リマーケティング広告・リターゲティング広告 (広告経由)
リマーケティング広告とは、広告を経由して、過去に自社サイトへの訪問履歴のあるユーザーの再訪を図るための集客方法です。ターゲットは、自社サイトは過去に最低一回は訪問したユーザーであるため、実際に購入にまで至る、角度の高いユーザーの集客を図ることができます。
GoogleやYahoo!など、検索エンジンを用いて運用することができ、そのほとんどが、ユーザーがクリックした際に費用が発生します。そのため、リスティング広告の一種として知られています。
④ディスプレイ広告 (広告経由)
ディスプレイ広告とは、リスティング広告と同様、広告を経由したユーザーを獲得するための集客方法です。ディスプレイ広告では、GoogleやYahoo!などの検索エンジンや、ユーザーが閲覧しているWebページの広告枠に、バナー(広告クリエイティブ)を掲載することで、集客を図ります。
リスティング広告と同じく、ユーザーが広告バナーをクリックした際に、費用が発生します。リスティング広告との違いとして、「内容」「掲載される位置」が挙げられます。前者に関して、リスティング広告では、テキストのみの広告であるのに対し、ディスプレイ広告では、バナーを用いることができます。後者に関しては、リスティング広告では、検索エンジンの検索結果ページの上部または下部であるのに対し、ディスプレイ広告では、検索結果ページの広告枠や、ユーザーが閲覧しているWebページ内に掲載されます。
広告バナーを利用できるディスプレイ広告では、より自社ブランドや商品をユーザーに対してわかりやすくアピールできるというメリットがあります。
⑤アフィリエイト広告 (広告経由)
アフィリエイト広告とは、リスティング広告やディスプレイ広告と同様、広告を経由したユーザーを獲得するための集客方法です。アフィリエイト広告では、アフィリエイターによって運営されているWebサイト内にて、自社のサイトが掲載されます。出稿の際は、アフィリエイターと直接やりとりするのではなく、ASPという、多くのアフィリエイターを管理する会社を仲介する必要があります。
ユーザーが、アフィリエイターのWebサイトを経由して自社サイトを訪れた際、アフィリエイターへの報酬と、ASPへの仲介料が発生する、成果報酬型のインターネット広告です。
アフィリエイターには、すでに高い集客力を有しているWebサイトも多く存在しますが、自社で設定した条件が遵守されているか、アフィリエイターによる不正がないかなど、自社で管理する必要があります。また、アフィリエイター広告では、報酬設定が高ければ高いほど、効果を見込むことができるという仕組みになっているため、掲載コストがかかりすぎてしまうという懸念点もあります。
⑥SNS広告 (広告経由)
SNS広告とは、広告経由の集約方法の一種です。広告運用において代表的なプラットフォームとして、LINEやFacebook、Twitter、Instagramが挙げられます。SNS広告では、利用する媒体によって手法が多少異なりますが、多くの場合、ビジネス用アカウントの作成が必要となります。出稿するプラットフォームによって費用体系も異なりますが、掲載した広告がユーザーによってクリックされた際にコストが発生する「クリック課金」やインプレッション数に応じて発生する「インプレッション課金」などが例として挙げられます。
SNS広告の特徴としては、各プラットフォームによって、ユーザーの層が異なる点であるといえるでしょう。そのため、効果的な集客を行うためには、自社のユーザー属性や傾向、獲得したいユーザー層を明らかにして、媒体を選定することが必要となります。
ECサイトの集客方法で、SNSが着目される理由とは?
上述の通り、ECサイトでの代表的な集客方法は、「SEO対策」と「インターネット広告」であるといえるでしょう。しかしながら、集客が難しいEC運営においては、様々な手段を用いて自社のユニークさをアピールする必要があります。
そこで、一手段としてSNSが挙げられます。SNSを効果的に活用すべき理由は以下の通りです。
①低コストで集客施策を図ることができる
LINEやFacebook、Twitter、Instagramなど、ECサイトと連携される代表的なSNSでは、無料でアカウントを創設することが可能です。
②より気軽に情報発信ができる
代表的な集客方法である「SEO対策」では、検索結果の上位に掲載されるコンテンツは、より多くの情報をわかりやすく、そして適切に含んでいる必要があることから、一つのコンテンツを制作する際に、多くの時間そして字数が必要になります。
それに対し、SNSでは、1コンテンツあたりのボリュームを気にせず、より気軽に情報発信をすることができます。日頃から運営し、アカウント全体のコンテンツ数を増やすことで、インプレッションやフォロワーの増加だけでなく、さらにトレンドとして世間に注目される可能性もあるでしょう。
③ユーザーとの接点を増やすことができる
SNSアカウントを運用することで、自社の一方的な情報発信だけでなく、ユーザーの生の声を収集することができます。投稿に対するコメントや、他のアカウントによる自社商品またはブランドの紹介、それらに対する反響、ハッシュタグ(#)機能などを通して、広告では得られない情報を入手することができます。
④アプローチしたいユーザー層への訴求が可能
SNSといっても、媒体は多岐にわたり、それぞれ機能や強み、ユーザー属性が異なります。自社が集客を図りたいユーザー層の多い媒体を見極めて運営することで、より効果的な集客を行うことができるでしょう。したがって、LINEやFacebook、Twitter、Instagramなど、代表的な媒体すべてを駆使すればいいとは限らないでしょう。
⑤集客だけにとどまらない
広告運用や、テキストや写真、動画などのコンテンツを通しての情報発信、ユーザーの最新の動向把握など、SNSアカウントの活用方法は多岐にわたります。低コストで気軽に運用できるという強みを活かし、自社に合った運用方法で活用しましょう。
ECサイトでの集客で活用される各SNSの特徴
ECサイトでの集客を図るために活用されることの多い「LINE」「Facebook」「Twitter」「Instagram」の4つに関して、国内のユーザー数と特徴をご紹介します。
LINE
特徴ユーザー数:8,400万人 (2020年4月時点)
・ユーザー数は最多で、幅広い
・LINE@登録済みのユーザーに対して直接アプローチできる
・広告や宣伝、キャンペーン実施など、販促に強い
・LINE@(公式アカウント)の認知や、集客の難易度が高い
特徴ユーザー数:2,600万人 (2019年7月時点)
・30代や40代のユーザーが中心
・拡散性が強い
・アカウント創設時に実名での登録が必要であるため、信頼性が高い
特徴ユーザー数:4,500万人 (2018年10月時点)
・20代や30代など、Facebookより比較的若めののユーザーが中心
・リアルタイムでの情報発信、拡散性に強み
・ハッシュタグ(#)機能で、様々なユーザーにアプローチできる
特徴ユーザー数:3,300万人 (2019年3月時点)
・20代とくに女性を中心とした若年層のユーザーが中心
・写真や動画による投稿が中心
・ハッシュタグ(#)機能で、様々なユーザーにアプローチできる
・衣類や化粧品、雑貨、食品を中心に「モノ」のアピールに向いている
参照:) https://www.uniad.co.jp/260204
まとめ
いかがでしたでしょうか。ECサイトでの集客は、競合性の高さや、手段の多さ、必要なコストや時間、作業工数の多さなどにより、悩みを抱えるご担当者様も多いのではないでしょうか。
まずは、自社が集客を目指すユーザー層を明確にすることで、適切な手段を見極めることが重要です。ぜひ参考にしてみてください!
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