誤出荷事故はECサイト運営をするにあたって永遠の課題であり、自社サービスの信頼度に関わってきてしまうので常に誤出荷ゼロを目指して日々試行錯誤を重ねている運営者がほとんどです。
そんな誤出荷事故の根本的な原因はヒューマンエラーと言われていますが、具体的にはどのようなミスなのでしょうか。
また、それに対する対策などを徹底解説していきましょう。
誤出荷事故が起きてしまう事例とその原因
実際に誤出荷事故が起きてしまう原因と対策を把握していきましょう。
事例1:商品数量の間違い
『同じ商品を複数購入したはずなのに1点しか送られて来なかった』
同時に複数同じ商品を購入している場合、出荷処理数の間違いは頻繁に発生してしまします。特に1点のみの購入者が多い中複数の注文が入ると、ベテランスタッフの思い込みや新人スタッフの不注意によって誤出荷に繋がってしまいます。
またピッキング時においても棚から必要な数を取り出したはずなのに実際に指定された数とは差異があり、それに気付かずそのまま出荷してしまうケースもあります。
事例2:商品タイプの間違い
『注文した商品の色違いが届いてしまった』
商品の名前や品番は正しくても、サイズ・形・色を間違えてしまうケースも多くあります。これは新人スタッフによくあるミスで、色番号やサイズ表記など商品の品番以外の表記の見方に慣れていない場合起こってしまう事があります。
またこのミスは入荷時の作業が原因で起こる事もあります。入荷する際にサイズや色の認識コードの貼り間違いをしてしまうと、それに気付かずそのまま保管してしまい、結果的に出荷ミスに繋がってしまいます。
事例3:送り先間違い
『注文していない商品が届いてしまった』
このミスの多くは送り状の添付ミスに多く見られます。
本来届けるべきお客様とは違う方のところに商品が届いてしまったり、更に逆転現象のように商品が入れ替わってしまったりします。
このような誤出荷事故はピッキング作業及び梱包作業を正確に行っていても最後の送り状貼り付けという作業でのミスにより起きてしまいます。
送り状は本来、商品や納品書と1出荷分セットにされてピッキングや梱包作業を進行していきますが、その工程中に送り状を紛失してしまったり入れ替わってしまうとミスを引き起こす可能性を生んでしまいます。
また、送り先ミスにはもう一つ原因があると考えられます。
送り状を作成する際、送り状発行ソフトに配送先の郵便番号・住所・氏名・電話番号等を手入力すると起こりやすいミスです。なのでEC受注システムから情報をインポートしてそのまま送り状に印刷するという流れが一般的ですが、それでもこのようなミスは起こってしまいます。原因はお客様から頂いた情報自体が不完全である事です。
住所の記載はあってもビル名やマンション名まで記載されていなかったり、そもそも番地が間違っていたりする事もあります。そのため、出荷情報をインポートする時も機械頼みではなく、しっかりエラーがないか確認する必要があります。
事例4:請求金額の間違い
『ECサイトに表記されていた金額と実際請求されている金額が違う』
顧客側の視点から考えると最もECサイトへの信頼を失くしてしまう原因の一つでもある、請求金額の間違いは意外にも少なくありません。
このようなミスは例えばお客様が決済方法を途中で変更したり、何らかの緊急対応により請求金額を手入力で修正しなければいけなくなってしまった時に過払いや二重請求が起こってしまいます。請求内容は送り状に記載されているため、出荷作業中の管理責任になってしまう場合もあるので充分に気をつけましょう。
事例5:梱包ミスや納品書の入れ違い
『通販から贈り物をする際、プレゼントラッピングを追加注文したのにされていなかった。また、納品書に金額が記載されていたので、送り先に金額がわかってしまった。』
現在通販から贈り物を送るという需要が増えている中で気を付けなければいけないのがこの梱包ミス及び納品書の入れ間違いです。
贈り物に関するミスは送る側と受け取り側双方のお客様を不愉快にしてしまうだけではなく、例えばラッピングに追加料金などがかかっている場合は払い戻しなどの対処が必要になってしまいます。また、雨天時の対策をしていなかったり、商品に合った梱包がされていないと同じくトラブルに繋がってしまいます。商品の取り扱いには様々なケースを考えて梱包用品を備えておかなければいけません。
これらは梱包作業者への正確な指示が行われていなかったり、作業者の商品情報把握ミスが原因と考えられます。
誤出荷が起きないための対策
上記のような事例に基づく誤出荷の原因を把握したところで、それぞれの誤出荷対策について考えていきましょう。
商品点数・種類・品番の相違、更に送り状の貼付ミスにはヒューマンエラーが大きく関わってきます。
倉庫内の出荷業務にはどうしても人員に任せなくてはいけない業務があります。
そのためどうしてもヒューマンエラーは起きてしまうのですが、そこから誤出荷に繋がらないようにまずどの時点でどのようなミスが起こってしまったのかという事を出荷前に突き止めなくてはなりません。
商品点数の相違における改善方法
『ダブルチェック体制にする』
ピッキング作業の段階でミスを防ぐのは難しい事かもしれませんが、最終確認さえしっかり行っていれば誤出荷防止になります。
人員を2名もしくは複数にしてダブルチェックをするようにしましょう。
またハンディースキャンなどのバーコード管理ができるツールを導入する事によってもミス削減を実現できます。
商品タイプの相違における改善方法
『管理タグ貼り付け業務の見直し』
商品それぞれに管理タグを貼り付けていきますが、商品のサイズや種類を間違えないためにこの業務フローを見直す必要があります。
管理タグを貼った後にそのタグと商品内容が合っているかダブルチェックを心付けましょう。それでも貼り付けにミスが生じる場合は機械のスキャンによる確認や複数人の目視の確認作業を検討しましょう。
また、入荷した全ての商品を再度スキャンして全ての入出荷数と適合しているかも確認できるとより良い環境作りができます。
品番認識ミスにおける改善方法
『ピッキング・出荷スペースの確保』
これは品番が違う商品を出荷してしまわないようにする改善方法です。
商品が入れ替わってしまったなどの事例に対しては送り状の貼り付けミスの他に出荷スペースの大きさも大きく関わってきます。
複数の商品と納品書及び注文書が乱立したり混ざってしまわないように一つ一つの商品に対する整理整頓された作業スペースをしっかり確保しましょう。
誤出荷のお詫び
次は実際に誤出荷をしてしまった場合のお客様への対処についてお話ししましょう。
誤出荷によってお客様にご迷惑をかけてしまった場合のお詫びメールは自社に対する信頼回復の面で大切です。誤出荷に対して配送側がどのような対応を取るかを明確に表記しておかなければなりません。
まずはお礼と謝罪を簡潔に
まずお客様に対して自社サービスを利用していただいた御礼を明記しましょう。
多くのサービスから自社を選んで購入にまで到っていただいたという御礼を冒頭に示した上で続いて謝罪を述べましょう。
またその際の言葉選びは慎重に丁寧に行いましょう。
必要としている商品を予定通り届けられなかった事でお客様にご迷惑をかけてしまった旨をしっかりと述べていきましょう。
とにかく迅速な対応を
誤出荷には出荷側が気づく場合とお客様からのご指摘で発覚する場合の2つのケースが存在します。
何のケースにしても発覚から時間を空けずに対応する事も誠意を表す手段の一つでもあります。場合によってはメール以外の電話などによる謝罪の方法も視野に入れておきましょう。
対応内容を簡潔かつ明確に
何か問題が合った時にお客様は、問題を起こした側がどのような対応を取るかという点をいち早く知りたいはずです。
例えば商品の到着が遅れてしまっている場合はいつまでには届くのかをしっかりお伝えしましょう。
また商品内容によっては自社で負担する事も考えましょう。
誤出荷に対するお詫び・謝罪メール文例
避けたい内容ですが、実際にお詫び・謝罪メールを送らなくてはいけなくなってしまった時に一助となれば幸いです。
まとめ
倉庫内でのヒューマンエラー が起きてしまうのはある程度『仕方がない事』です。
重要なのはそんなヒューマンエラーが起きてしまった時に『誤出荷に繋げない業務フローの確立』です。その業務フローを現場に上手くインストールし、その手順通りに作業できるような教育を徹底していきましょう。
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